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コロナとお盆

 世界全土が新型コロナ一色に染まった2020年。それでも季節は廻り、今年もまたお盆のシーズンがやってきました。特に今年はゆっくりとお盆休みを取ることが出来ない方も多いと思います。この長期の休みに家族に会いに帰省し、そして先祖参りに行かれる方もたくさんいらっしゃったことでしょう。今年のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。

お盆になるとご先祖さまが浄土よりお戻りになるといいます。そのため迎え火や墓参りを行くなどして家に迎え入れ、ともに家族とひとときを過ごすことでその御霊を供養します。大切な方へ心を尽くし、そしてそのつながり(ご縁)に感謝する日本の伝統行事です。つまりは私が私という固有の存在ではなく、人と人のつながりの中にあるということを改めて気づかせてくれる行事であるといえます。

コロナ禍中のいま、まさに人と人のつながりそのものが敬遠されています。しかし一方で人とのつながりを考える中で、改めて人の大切さや個人の在り方というものが見直されてきているのも事実です。そしてそれを少なからず補いうる、デジタルなつながりが発達しているのも事実です。

都内からの帰省をあきらめた友人が地元のLINEグループでこのように話しました。「帰りたい田舎があって、会いたい人がいることは、とても幸せな事と思って東京の夏を過ごしてみます。」

「会いたいから、会わない。」一方で「会いたいけど、会えない。」

どちらがコロナ後の人生に前向きな影響を与えるでしょうか。

長く続く苦しい時代に下を向き、また天を仰いで文句を垂れずに、主体的で前向きな人生を生きるための糧にしたいものです。そうでないとこのコロナ禍は大きな禍根を残すことになります。

ふと振り返ってみれば、私たちの後ろには誰しもご先祖さまがいます。盆が過ぎても、その存在があることは変わりません。お墓もお寺もお仏壇も、変わらずそこにありますから、大切に供養を重ねていきたいものです。

当寺ももちろん感染症対策を万全に行っております。たくさんの方にお参りに来ていただき、少しでもいつもと変わらないお盆を過ごしたいものです。この山奥に花以外のミツは存在しませんので、安心してお参りください。

合掌

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