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どのようなお正月を過ごしますか?

「もうい~くつ寝ると~お正月~♪」

子どものころ、お正月には何か楽しいことがあるように願ったものです。

年頃の近い親戚と遊ぶことが出来ましたし、お年玉もまだもらう側でした。

その少し前のツリーを出してクリスマスはするけれども

おせち料理も作らず、お屠蘇も飲まず、門松も注連飾りも飾らなくなりました。

正月行事を祝う人がどんどん少なくなっています。

今年は新型コロナウイルスの再熱もあり、各ご家庭も人がなかなか集まらないようですから、

ますますこの状況は進んでいくことと思います。

それでも、変わらず大晦日も正月もやって参ります。

年末大掃除の時には、まず仏壇の掃除をして、鏡餅やお花などのお正月のお供物を上げましょう。

ホームセンターで売られている松飾りの千両の赤い実と松の緑が非常に美しく、

これを見ると年末そしてお正月へのモードに入るものです。

初詣について

二年参りや初詣はぜひ菩提寺にお詣りにいらしてください。

この状況ですから、感染対策に加え、歓迎の仕方は少し変わってくるかもしれません。

お葬式・お墓参りなど不祝儀が多いお寺の行事のなかで、

唯一おめでとうといえるのはこのお年賀の時だけです。

一年の計は春にあり、一年の計は元旦にあり、一年の計は明日にあります。

新たな年を迎えるにあたり、心もまた新たにしたいものです。

仏様やご先祖様のような強く大きな力(つながり)に近づいて

この一年を見守っていただきたいという願いは大切なことでしょう。

合掌

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秋――。お十夜の季節がやって参りました。

ご覧いただきありがとうございます。

黄金色の稲保が徐々に消え、一気に秋めいて参りました。

稲作農家のみなさま、美味しい秋を有難うございます。本当にお疲れ様でございます。

最近は晴れ間が少なく、また朝夕めっきり冷え込む日が続いております。

さて、本日はこの時期に行われる「お十夜」について学んで参ります。

「お十夜」って何?

「お十夜」というのは主にこの肌寒くなってくる時期、

つまり10月から11月にかけて修せられる浄土宗独自の法要のことをいいます。

浄土宗で大切にしているお経のひとつ『無量寿経』には、

この世で十日十夜の善行をなせば、極楽で千年分の善行を積むことに勝る"とあります。

これだけを見ると、なんだかこの世で善行を積む方が簡単なように感じられますが、

実は全く逆の意味を指しています。それは、

この世で十日十夜の善行を(本当に)行うことが、もし出来るなら~」というわけです。

何故ならば人は生きていれば腹も減りますし、もちろん眠くもなります。

ましてや、たった数時間だとしても、ずっと集中して善行を続けることはむずかしいでしょう。

脳科学の世界では「集中は15分しか続かない。脳は大変疲れやすい。」というのが定説で、

生身の身体と、落ち着かない心をもつわれわれ人間。明けては暮れる時の流れのなかで

十日間の善行を積むことなど、人間には到底ムリなことなのです。

だからこそ、こうして「お十夜」という法要を浄土宗では大切にしているのです。

もう少し「お十夜」について詳しく見て参りましょう。

「お十夜」の縁起

時をさかのぼること570年、永享年間(1429-1441)は室町幕府のころ――。

京都にある真如堂というお寺に、平貞国という武士がお参りにやってきました。

貞国の兄:貞経は当時幕府の執権、いうなれば総理大臣のような非常に高い地位にある方です。

血で血を洗うことが珍しくないこの時代、兄弟は仲たがいの道を選ばざるを得ませんでした。

弟:貞国はこの立身出世の厳しい競争を憂い、自ら身を引こうと決心します。

ならばと貞国は、真如堂に詣で三日三晩の神仏にお祈りしたのち、出家しようと考えたそうです。

京都京都市左京区にある真如堂。正式には鈴聲山真正極楽寺という。

しかし三日目の夜。貞国の夢枕に尊いお坊さんが現れて貞国にこう言いました。

「貞国よ。出家し仏に使えることで、みなを幸せにしたい気持ちはよく分かった。

 しかし、他の仕事を通じて世のため人のために尽くす道も、また仏の道であろう。

 ならば貞国、あなた自身の出家について、今一度見つめなおすといい。

目覚めた貞国は、汗を握りしめた両手を見つめ、ふと枕元にあった剃刀を再び仕舞います。

するとそれから一刻ほどして、貞国の御家から驚きの知らせが入ります。

なんと兄:貞経が上意に背き隠居させられたというではありませんか。

貞国は「出家を待てと言ったのはこういうことであったか」と感じ、すぐに家督を継ぎます。

その後、執権職にまで就かれ、国や人々のために力を尽くすこととなりました。

もし、この有難いお告げが無ければ、貞国は目覚めてすぐに剃髪のうえ出家してしまい、

兄の跡こうして家督を継ぐどころか、まさに御家が断絶してしまうところであった。

※ちなみにこの貞国の娘は後北条氏として有名な戦国大名:北条早雲を後に産んでいます。

こうしてお告げを有難く頂戴した貞国は、この後、さらに7日間を加えて「十日十夜」、

仏様の前で報恩感謝の念仏(恩に報いて感謝するお念仏)を行ったという。

これが浄土宗の「お十夜」の始まりになったといわれています。

なんのために「お十夜」をやるの?

今の時代は本当に忙しい時代です。

日の出とともに起き出して、陽が沈んだら早々に床に着く、というわけには参りません。

目が覚めれば仕事に向かい、暗い中を帰ってきては、明日のためなるべく早く寝なきゃならない。

どこの家も日付が変わるくらいまでは一部屋くらい電気が煌々とついていることでしょう。

テレビやスマホの画面が消えることはなく、年々睡眠時間も短くなってきているそうです。

やらなきゃならないことから、やりたいことまで、時間は本当にどれだけあっても足りません。

ですから、十日十夜どころか、毎朝の仏壇参りすら出来なくても全く不思議ではありません。

それだけ時間の使い方と、人生が豊かになったということですから、有難い話です。

でも、だからこそこうして特別に日を設けて、出来る限り集中してお念仏をお唱えし、

その功徳を先祖代々あるいは新亡等(今年亡くなった方など)に向けて回向を行います。

このように貞国に倣って御先祖さまや新亡等の恩に報い、またお念仏をお唱えすることで

浄土往生のために功徳を振り向ける大切な法要が、この「お十夜」なのです。

大切な方のことを心に思い浮かべて、ともにご供養の善行を積んで参りましょう。

合掌

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新阿弥陀如来像奉戴について

朝夕がめっきり冷え込む季節となりました。みなさまお元気でお過ごしでしょうか。

さて、当山では令和2年9月12日に新たな脇本尊の奉戴と開眼供養を執り行いました。

当山は正式には竹子山千手院宝蔵寺といい、千手院の名の通り千手観音様をご本尊とするお寺です。

しかし浄土宗ということもあり、その本尊様の向かって右側の厨子に、阿弥陀三尊像を奉戴。

それが第36世識譽上人代といわれており、二〇〇年近く脇本尊として当山を御守り頂きました。

しかし16年前の中越地震で落下して破損し、その後残念ながら簡易的補修のみとなっていました。

旧阿弥陀三尊立像

この度、尊像住職寄進の先例に倣い第43世念譽(当世)より新阿弥陀三尊像を寄進いたしました。

本来ならば檀信徒皆様にご披露ならびにご参拝賜りたいところでしたが、

昨今の新型コロナウイルス感染防止の観点からご参詣は控えさせていただき

当山総代、役員様御参詣のもと、新三尊像の御奉戴ならびに開眼供養を執り行いました。

新阿弥陀立像

檀信徒みなさまにおかれましては、ぜひ当山参詣の折に

ご参拝賜りますようよろしくお願い申し上げます。

末永く人々の想いが受け継がれて参りますように。

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令和2年度 堀之内地区 戦没者供養

9月1日、当山にて「令和2年度 堀之内地区 戦没者供養」が開催されました。

当地区のご遺族の方々およそ20名がお参りくださいました。9月を迎えてもなお残る厳しい暑さのなか、感染症対策でのマスク着用にご協力いただきありがとうございました。

80名を超える多くの御霊の慰霊を行い、みなさまからお焼香とお念仏によるご供養を頂きました。

読経後の法話では住職より”人と人はつながりのなかで大切なことを伝えていく”ことを仏教者の目線を通してお伝えいたしました。人が花を綺麗と感じることが出来るのは、誰かが花は美しいと教えてくれたからに他なりません。同じように、戦争の悲しさや悲惨さはこれからも伝え残していかなければならないことです。

今年で終戦から75年を迎え、戦争体験を記憶に残す世代の高齢化が進んでいます。そのそれぞれに、つないできた戦没者含む尊い命があって、そしてまた、今を生きる命があること。話し方からご飯の食べ方といった幼い時分に学んだ習慣から、子を持ち我が親の大変さに思いを馳せるまで、すべて人が命をつなぐなかで伝え、伝えられてこと。こうして慰霊を行い、過去を振り返り先人に敬意を払うことで、却っては自らの未来の人生の糧にしていくことができるのでしょう。

”戦後”とは日本人にとって太平洋戦争以降ということを意味します。しかし、他国に目を向ければ幾多の戦争が起こり、いまなおその戦火に苦しんでいる国もあります。日本が”戦後”と呼べるのは、その多くの犠牲に敬意を払い、戦争の悲惨さを反省し、なお平和を享受してきたからに他なりません。平和の構築とその現状については様々な立場があって、いろいろな考え方があるでしょうが、戦後75年が経たことは紛れもない事実であり、この平和がこれからの世代にも続いていくことを願っています。

合掌

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塔婆と盆扶持供養札(盂蘭盆会供養札)について

卒塔婆

お経には、お塔婆(卒塔婆)は「菩提の化身」であり、塔婆を建立することは「この上ない善行」であると書かれています。

つまり、塔婆は亡くなった人のこの世の御姿であり、それを供養することは故人の菩提の増進につながり、供養する人にとっても他に比べようがない程の善行になるということです。写真のようにご仏壇に飾り燈火献香しお供物をお飾りして下さい。

盆扶持札

 また、盆扶持札も同じ意味でこれはご先祖様お盆の供養のためのものです。お盆の期間中お仏壇の前に飾り、お供物等を献じて供養してください。

そして最も大切なことはお仏壇に向かい手を合わせてお念仏(南無阿弥陀仏)をお称えすることです。これが最高の供養です。

お盆が終わりましたら焚き上げ(送り火)やお流し(精霊流し)が昔からの伝統でしたが、現在はなかなか難しいようですのでお寺にお返しいただいても結構です。粗末にならないようにしてください。お塔婆はお墓に収め古くなったら焼却(お焚き上げ)するか、お寺にお返しください。

合掌

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令和2年度 盆扶持について

令和2年度盆扶持について

聖名十念 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、標記の件につきまして、コロナウイルス感染症拡大につきまして現在緊急事態宣言は終了したものの未だ予断許さない状態が続いており、更生労働省、また、寺院所轄の新潟県により三密(密閉、密集、密接)につながる集会や行事の自粛を厳しく求められております。

 このような状況を鑑み本年度の盆扶持行事を下記のとおり行うことといたしました。大切なご先祖供養でございますが、状況ご理解の上何卒よろしくお願いいたします。

合 掌

  • 期 日 令和2年8月1日(土) 9時より 
  • 場 所 宝蔵寺 本堂
  • 内 容 お盆先祖代々供養(お札、一律3,000円)、回忌供養(塔婆)
  • 申 込 同封のハガキにて申込下さい。電話、FAX、E-メール等も可能です。
  • 受取り 当日参拝または後日受け取り、送付も可能です。
  • その他 本年度は盆扶持興行、お斎は自粛させていただきます。

御不明の点につきましてはお問い合わせください。

以上

御参拝の際はお手数ですがマスク着用、アルコール手洗いをお願い致します。

後日受け取りの寺院不在の場合がありますので場合は必ず電話にて確認をお願いします。

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新型コロナウイルス感染症への対応について

聖号 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 

 宝蔵寺では、新型コロナウイルス感染症への対策として、参拝者さまの健康と安全を第一に考え、また安心してご参拝いただけるよう、当面の間以下の対応を行って参ります。

《宝蔵寺の取り組み》
  • アルコール消毒液の設置

   ご参拝の際、正面玄関でのアルコール消毒にご協力お願いいたします。

  • 参拝者および僧侶のマスク着用

   参拝者は特別な事情をのぞきマスクを必ずご着用ください。

  • 当寺における会食・接待の休止

   感染防止のため当寺における飲食を控えさせていただきます。

  • 法要/法事の縮小

   ご参拝は代表者のみ(最大10名程度)とさせていただきます。

  • 年間行事の延期及び中止

   行事変更および可否について適宜判断のうえ随時ご報告いたします。

  • 体調の優れない方は参拝をお控えください

   体調不良の際は日取りの延期も含めお気軽にご相談ください

※なお上記対応については今後、日本政府ならびに関係機関の示す方針に準じ、更新いたしますのでご了承ください。

 感染拡大や活動の変化など、今も変わらず目に見えないものに対する恐れや不安が続いています。そしていつ止むかわからない社会不安だけでなく、離れて暮らす大切な人へのご心配も一入かと存じます。加えて、恐れや不安からくる負の力は、ただでさえ失うものが多い現実を、さらに根深いものにしてしまうことさえあります。

 世知辛い世の中ではありますがお互いを気遣い、また今回の感染症に限らず体調管理を決して怠ることのないよう願っております。そして少しでもはやく良い世の中がやってくるよう、いま当寺にできることを続けて参ります。

何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

合掌

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涅槃会

涅槃会とは

涅槃(ねはん)とは、梵語のニルヴァーナの当て字で、火などが吹き消されたこと、煩悩の鎮静ーつまり究極的な解脱(さとりの世界)を言います。一般的にはお釈迦様の入滅のことをさし陰暦2月15日に追悼法要のことを涅槃会といいます。また、この地域では「涅槃会は仏法のお正月」としていて、涅槃団子を配る風習が行われています。

涅槃図

沙羅双樹の樹下の床の上に。、頭を北に、右の脇を下に、西面して入滅した釈迦の画像があり、そのまわりを弟子、天人、菩薩、鬼神、禽獣虫類魚類52種の生ある者が合掌して哀悼の意を表している。しかし、猫だけは姿が無い、これには、お釈迦様の不老不死の薬を猫がこぼしてしまったためというエピソードがある。

宝蔵寺の涅槃会

当山の涅槃会は雅に、仏法のお正月のお祝い行事となっています。それは、3月13日の涅槃団子まるめからはじまります。近村集落のみなさんが集まってきて、身を清めてからワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながら作業開始。子供からお年寄りまでみんなすきなことを話しながら協力しての団子作り。普段なかなか世代を超えて大勢の人と会話する事が少なくなってきた今日この頃、子供がこうした環境のなかで社会に調和していくことを学んでいってくれたらなーと思う。

まるめたらすぐに大鍋で煮る。この時の煮加減は、団子がふあーり、ふあーりと浮いてくる位が丁度いい、生でも煮すぎてもいけない。煮あがったらすぐに冷水で冷やす。綺麗な半透明で光輝くように出来ればOK。出来あがったばかりの涅槃団子は湿気の多い寒い部屋で芯から自然に乾燥。温風で強制的に乾燥させるとひび割れができる。うまく出来あがった団子はキラキラ光ってとても美しいものです。

涅槃会は3月15日10時より始ります。お檀家さんだけでなく、近村集落の人達は三々五々集まって来ます。本堂には涅槃図をかかげ、涅槃団子、花をお供えした祭壇をしつらえ涅槃会の法要と説法を行います。そのあと団子まきが行われるのですが、現在は衛生上から袋に入れた涅槃団子をあらかじめ用意しておいて皆様のお配りしています。法要が終了すると、仏法のお正月ということでお祝い膳の御斎となります。当然お祝いですのでお酒も少々でます。この地方ではなんにつけてもお酒はつきものです。みなさんがいい気持ちになるまで酒宴は続きます。

年々、この近在の集落も過疎のなり。また、涅槃会の周知も十分でないのかお参りの人が少なくなってきて寂しい気もします。皆様お誘い会わせのうえお越し下さい。